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中国の電気自動車の勢いがすごい(1)ニュースから分析

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中国の電気自動車の勢いがすごい(1)ニュースから分析

最近、中国のEV(電気自動車)についての報道を耳にします。

佐川急便の中国製EVの採用や、中国で販売される小型EV「宏光ミニEV」の価格が日本円で50万円を切るといった話題があります。

中国のスマホ・家電メーカーのシャオミー(小米)がスマートEV事業参入の報道もありました。

中国での新エネ車の販売状況などについてレポートします。

佐川急便が全ての軽自動車を広西汽車集団のEVに順次切替

ニュース

宅配便大手の佐川急便が、宅配事業で使用する全ての軽自動車7200台を中国 広西汽車集団の電気自動車(EV)に切り替えると発表しました。

世界で加速する脱炭素に向けた取り組みで、2022年9月から導入を開始、2030年度までに段階的に切り替える計画である。

実際の企画開発はベンチャーのASF(東京・港)が行っている。

関連記事の中で『これを中国の電気自動車というのは語弊があるのではないか?』といった趣旨の解説がありました。

企画開発は日本の企業でありファブレス生産する中で供給元が中国なだけである。中国で組立てられるiPhoneを中国製品とは誰も認識していないのだから。
といった説明です。

しかし、これこそが、私が注目したい驚愕の事実です。

従来、自動車には、すり合わせ技術が付きもので、ものづくりの得意は日本企業にアドバンテージがあると認識されてきました。

しかし、電気自動車では部品点数が減り、エンジンだけでなく変速ギアやバックギアもいらない。組立が簡単で新規参入が容易になることが脅威であるとされてきました。

そのことがこんなにも早く、既に、現実のものとなったということです。

自動車もパソコンやスマホの様に、世界中で一番安い部品・組立コストの組み合わせで生産されるようになるのです。

びっくり価格 上汽通用五菱の 宏光 MINI EV

2020年8月に低価格の小型EVを発売したことで、世界中で話題になっています。

4月21日の中国国内WEBニュースでも、取り上げられています。

ニュース

4月19日 2021上海モーターショーで、宏光mini evは発売から270日で、販売台数が27万台を突破したという販売データを発表。これはテスラに次ぎ、世界で2番目の販売数となる。月間販売ではテスラを抜いた月もある。

更に、コンパーチブル新モデルのモデルの紹介

さて、価格については。今日現在で2.88万元~となっています。日本円で48万円くらい。確かに安いです。

ちなみに宏光(hóng guāng=ホングヮン)と読みます。「ひろみつ」ではないです。

シャオミ(小米)がEV事業に参戦

ニュース

3月30日、スマホ・IoT家電大手のシャオミ(小米)が、自動車事業を行う100%子会社を設立する旨の公告を発表した。開発するのはスマートEVで、初期投資額は100億元(約1700億円)、今後10年間で合計100億ドル(約1兆1000億円)を投資する予定だ。

シャオミがどのような体制でクルマを製造するのかが注目されているが、消息筋によると、アセンブリを外部委託する予定だという。これは同社のスマホ製造と同じ体制である。

現在、シャオミのスマホを使っていてお気に入りです。体重計もシャオミのものを買ったのですが、アプリでのリンクが素晴らしい。

毎日、体重・体脂肪を記録して一喜一憂しております。

そんなシャオミーもEVを作るとのこと。

アップルといい、成長著しい通信産業大手がスマホを作る様に自動車を作る時代に突入しています。

まとめ 『自工会 豊田会長コメント』から

これらのニュースが示すのは、急激な時代の変化が既に始まっているということです。

ここでもうひとつ記事を紹介。

自工会 豊田章男会長の会見で以下のような趣旨の見解が示されました。

4月22日自工会オンライン記者会見より

  • カーボンニュートラルは、作る、運ぶ、使う、廃棄するというすべてのプロセスでのCO2削減を実現しなければならない。
  • その道は1つではなく、カーボンニュートラルな燃料技術、エンジンの燃焼技術、モーターや電池などの電動化技術、それらを組み合わせる複合技術。こうしたことに強みを持つ日本だからこそ、選べる道がある。
  • 今日本がやるべきことは、技術の選択肢を増やしていくことであり、規制法制化はその次。
    最初からガソリン車やディーゼル車を禁止するような政策は、その選択肢を自ら狭め、日本の強みを失うことにもなりかねない。

一つの矛盾しない考えであることは理解できますが、戦略的に正しいことを言っているのか、どうにも疑問に思います。

  • 自動車産業の衰退させない思い(産業従事者を保護したい思い)を最重要視した方針。
  • 現在の全自動車を法規制で電気自動車にしたとしても、火力発電の比率が大きい日本ではカーボンニュートラルに繋がらない事実
  • 自工会は日本の産業を支える気概で戦略を考えているのに対し、カーボンニュートラル=EV化、規制化志向の報道および政府見解へのいらだち

こういった背景からの見解になっていると思いますが、世の中の変化のスピードはとても速いです。
現状維持を企みながら緩やかな変化を狙うことは可能なのでしょうか?

冷静に考えれば、選択と集中が必要、しかもスピードが重要なのではないでしょうか。

電気自動車では新興企業にも分があり、水素自動車なら日本の自動車メーカーに優位性があります。

しかし、大幅なインフラ整備が必要となる水素自動車の普及の前に、電気自動車と自動運転の組み合わでで、車の生産量自体が激減する社会が来る可能性が高いと思います。
自動車産業の収縮につながりましが、それ自体は確実に環境負荷の大幅改善つながります。

日本が世界をリードして水素自動車普の普及を図るような活動を計画して発表するくらいなら良いのですが、既に終わりが始まっている感じがして心配です。
記者会見のコメントに、自動車を取り巻く変化のワクワク感が感じられない。

少なくとも中国はこのEV化の波を、自動車産業のリーダーになるための千載一遇のチャンスとして戦略的にふるまうでしょうから、それを考慮して対応する必要があります。

内向きの議論をしている場合ではありません。

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