今、中国の製造企業に勤めています。従業員が200人くらいの会社です。
(日系企業ではありません。完全に中国の企業です。)
日本企業と違う点がたくさんあります。今回は労働環境について説明したいと思います。
Contents
週休1日
休日は日曜だけです。土曜日は仕事で、週休1日です。
んー25年前くらい前は、日本も週休1日だったかな!?
仕事する日が1日増えるのはつらくないけど、休みが1日しかないのは少し大変です。
更に忙しい時は、日曜の就業日になって工場を稼働させます。前日に決まったりすることもありました。
従業員に配慮して、2回連続で日曜就業はないかな。つまり、14日に1日は休みがあるということになります
会社に従属している感覚は強くて、みんな出勤します。そして、その時の休出給金はかなり割り増しです。
あと、トラブルで部品が来なくて、明日は急遽休日にし、代わりに日曜出勤とか。。。たまにあります。
日本の労働者はかなり手厚く保護されていると思います。特に中規模以上の工場経営では。
中国はお国柄かなり違います。経営側が臨機応援に運用できます。
あと、日本ではあまりないと思ったのが、罰金の罰則です。
製造現場の作業員は業務中にスマホを使うことが禁止されています。ライン作業で、手が空いた時など、スマホで時間つぶしをしているのが見つかると罰金です。社内に張り紙されて、1回100元(1500円)とか200元(3000円)とか給料から引かれます。
2か月に1回くらいそういうを見かけます。
社員は虐げられているのか?
一方で、従業員側も給料の良し悪しで転職することはよくあります。従業員も会社を選べるのです。
だから、会社から誕生日にケーキが出たり、年末、年始には現金のお包がもらえたり、そういう福利厚生というか心遣いが頻繁にあります。
日本的にみれば、ブラック企業に感じるところもあるかもしれません。でも、企業にとっても労働者にとっても、単純でシビアな市場競争の労働環境になっているだけにも見えます。
ITでの就業管理
中国が進んでいると思うのはITツールの活用です。
日本に比べて、ITコストが安いし、使えるものは、なんでも使うという感じです。小さな工場でも使ってます。
日本の場合、中小規模工場では昔のままの状態ものがとても多いと思います。
私がいる会社は、小規模工場ですが、出退勤の管理は顔認証スキャン端末です。工場の中はたくさんのカメラが配置されて、常に記録されています。
中国はそういう国なので、カメラがたくさんあることに違和感を持つ人はいません。みんなその中で普通に仕事をしています。
カメラがあることで防げるトラブルは発生しなくなっていると言えます。
あと、会社の連絡に、各個人のスマホを使うことが普通です。
会社用のスマホを用意することはありません。それだと面倒なので自分のスマホを使います。
全員Wechat(微信)を持っているので、会社内も顧客ともそれで連絡します。会社とプライベートの区別をしません。仕事のコミュニケーションをとる上ではとてもよい環境です。
- 自由化されていない市場でほぼ全国民がWechatを使っている
- 通信費が格段に安い
- 会社とプライベートの区別の概念があまりないこと
こういう背景が日本と違う仕事の仕方を成立させているのを感じます。
まとめ
中国、日本、どっちがいいかは一概に言えませんが、大きな違いを感じます。
そして、ものづくりの出力を労働力だけで測れば、圧倒的に中国に軍配があがる気がします。
中国と同じになればよいとは思わないので、日本の優位性を何で作るのかを考える必要があります。
いずれにしても、今感じているのは、
- 何を合理的と思うかは国や環境が変われば、変わるということ
- 日本が優位性を保つには、ものづくりの作業に人をかけないようにする。究極に自動化していくことなのではないか
と考えています。
今後いろんな視点で日本と中国のものづくりの違いをレポートしていきます。